あらすじ

──これは、ただの政略結婚だった。 名も捨て、国も捨て、生き延びるために、私は偽りの姫となった。 銀月の国へ嫁いだ王女フィリア。 その正体は、かつて銀月に滅ぼされた緑の国の第一王女・オフィーリア。 今は誰も知らない。知られてはいけない。 偽りの微笑を浮かべ、丁寧にふるまい、感情はすべて押し殺して──弱さなんて見せない。 「完璧な姫」を演じることだけが、自分を守る手段だった。 けれど。 夫となった銀月の第一王子・セヴィだけは、 私の“嘘”に、なぜか気づいてしまう。 「おまえのその嘘くさい笑顔を見ていると、どうにもイライラする」 「君が助けて、と言ったら俺は──何も聞かずに君を助ける」 冷たいと噂される“氷の王子”。 優しいのか優しくないのか、よく分からない。 分かっているのはあなたにもきっと''過去''があること。 ──私の心が壊れていくのを、どうしてあなたが先に気づくの? 過去の傷と、王宮の陰謀。 兄弟の確執、王家に渦巻く毒と欲。 嘘を重ねて生きる私と、痛みを抱えて生きる彼。 ふたりの恋は、決して祝福されない。 けれどもし、それでも―― もう一度誰かを信じてもいいのなら。 私は、あなたにだけ、本当の名前を呼んでほしい。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2025/09/04
  • 現在の作品太陽姫と氷の王子