あらすじ
夜の街角、小さな屋台に灯る淡い光。その下に座る少女、結城紅葉――彼女は「嘘」を現実にする力を持つ、街で噂の“嘘屋”だ。
紅葉が紡ぐのは、依頼者の願いを叶える24時間だけの嘘。叶えることで人の心を救う代わりに、彼女自身には消えない“疵(こころの傷)”が刻まれる。
ある夜、屋台に現れた少年・蒼月圭は、長年病床にある父と一度だけ“普通の会話”をしたいと願う。紅葉はその嘘を差し出すが、父の思いが絡んだ小さな嘘の連鎖が、町全体に波紋を広げてしまう。
さらに紅葉のもとには、嘘の取引を知る謎の大人・黒羽が現れ、彼女の能力や過去に迫る。日常のささやかな願いと嘘の代償が交錯する中、紅葉は問いかけられる――
「嘘で人は救えるのか? 救った先に残るのは赦しか、代償か?」