あらすじ

俺、藤宮 圭(ふじみや けい)の望みは、ただ一つ。 毎日きちんと定時で帰ることだ。 過労死した前世の反省から、平穏無事なスローライフを夢見ていた俺は、魔法と剣の異世界に貴族の三男として転生した。 しかし、そのどちらの才能も持たない俺は、一族から「無能」の烙印を押され、成人するやいなや厄介払いとして辺境の寂れた村へ追放されてしまう。 ――だが、それでいい。いや、それがいい! 面倒な出世競争とは無縁の辺境で、安定した公務員ライフを送ろう! そんな甘い期待を抱いて赴任した村は、疫病と貧困で滅びかけている絶望の地だった。 しかし、その惨状は、元・地方公務員の俺にとって見慣れた問題のオンパレード。 「え、ゴミは分別収集して、井戸とトイレは離すのが普通ですよね?」 「土地が痩せるのは連作障害が原因なので、三圃式農業を導入しましょう」 「収穫が増えたら、市場を作って経済を回すのが合理的じゃないですか?」 俺が前世で培った「常識」を教えただけなのに、村人たちは俺を「神の叡智を持つ賢者様」と崇め始める。 生真面目な女騎士は「全て計算ずくの高等な人心掌握術…!」と戦慄し、聡明な商家の娘は「未来を見通す帳簿術…!」と心酔。頑固なドワーフの職人でさえ、「あんたの図面は神々の工法だ」とひれ伏す始末。 やがて、俺の意図とは裏腹に、その「常識」は小さな村の再建に留まらず、領都の水害を止め、国家間の経済戦争にまで勝利してしまう。 ついには国王の目に留まり、王国全体の改革を担う「国家再生計画(プロジェクト)」の総責任者に任命されてしまった。 俺の望みは、ただ平穏に定時で帰ることだったはずなのに…。 次々と舞い込む国家規模の難題と、周囲からの壮大な勘違い。 これは、一人の元・地方公務員が、その気は全くないのに、いつの間にか救国の英雄に祭り上げられていく、勘違い(?)英雄譚である。

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小説を読もう2025/09/04
  • 現在の作品無能と追放された俺の「常識」、どうやらこの世界では神の叡智らしい ~定時で帰りたいのに辺境再建から始まる国家再生計画(プロジェクト)~