あらすじ
カエル・アーヴェンは、決して戦士になろうとはしなかった。
破滅の縁に立つ都市がかろうじて生き残る世界、ヴェイリスで、一部の人間は稀な呪い「シフティング」を背負う。
現実を滑るたびに、彼らは自分の一部を失う――思い出、感情、親しい声。
カエルは最初のシフトで死ぬはずだった。しかし、生き延びた。そしてそれ以来、存在すべきでない世界の断片が、彼の耳に囁き続ける。
都市国家はシフターを支配せんと蠢き、ライバルは生き延びるためなら手段を選ばず、禁断の境界を超えた影が迫る。
カエルに残された選択肢はひとつ:自分を失うか、世界を変えるために、自ら消え去るか。
すべての戦いが自らの人間性との交渉となるこの宇宙で、カエルの物語は英雄譚ではない――最後の目撃者の記録だ。