あらすじ
『異邦人』
母の棺の前で
涙は来なかった
乾いた瞼に
太陽だけが重くのしかかる
愛も、快楽も
砂に消える波音のように
ただ一瞬、肌を濡らし
次の瞬間には忘れてしまう
灼けつく白い光の下
引き金は思考より先に
汗の雫とともに落ち
世界は取り返しなく裂けた
人々は言う
「冷酷だ」「異常だ」
だが私には
ただ空と海と太陽しかなかった
牢獄の夜
私はようやく気づく
宇宙は私を愛さず
また憎みもしない
無関心の優しさに
身を委ねるとき
死は恐怖ではなく
静かな合図に変わる
明日、刃が首を断つとしても
私は満ちている
母がそうであったように
太陽の中で、世界と和解して