あらすじ

龍――。 それは一頭で国家の軍事力に匹敵する破局的な存在。 故郷を黒龍に焼かれた少年コールは、生き残った罪を抱えて生きていた。 そんな彼の前に現れたのは、無邪気に笑う少年アルベリオ。 北の大地からやって来たという彼には、ある秘密があった。 炎と氷が衝突する砂漠で、二人は出会い、惹かれ合い、抗えぬ宿命へ挑む。 ﹡˖˟༝˖˟˖˟﹡˖˟༝˖˟˖˟﹡˖˟༝˖˟˖˟ 以下、コンテスト用あらすじ ※ネタバレあり 荒涼たる砂漠を統べるのは、黒龍オルディアス。その一声で街は炎に沈み、人々はただ跪くしかなかった。八歳の少年コールもまた、紅蓮に呑まれた故郷をただ見送るしかなかった。龍は畏怖の象徴、抗うことすら許されぬ絶対の存在。コールは十年の歳月を、龍を憎みながら生き延びてきた。 十八歳になった彼は宿屋で働き、日々の糧を得ながらも心は荒み切っていた。そんな折、現れたのは不思議な少年――アルベリオ。虹色の瞳を持つ彼は、飢えていたはずなのに、出された黒パンを「美味い、美味い」と笑いながら頬張る。だがその首筋には、竜の爪痕のような赤いケロイドが残されていた。 やがて明らかになる彼の正体は、十年前、コールの故郷を炎から庇いながら敗れた白龍だった。ぼろ布一枚に身を包み、鎖に繋がれた過去を語るアルベリオは、勇敢でありながらもあまりに無垢だった。コールは龍を嫌いながらも、彼だけはどうしても嫌いになれなかった。 しかし、運命は二人を再び災厄へと引きずり込む。砂漠の都に姿を現した黒龍オルディアス。かつて国を焦土に変えた灼熱の炎と、白龍アルベリオの凍てつく冷気が激突する。空気は爆ぜ、街は衝撃波に呑まれ、世界そのものが引き裂かれるかのようだった。未熟なアルベリオは抗い切れず、ついにオルディアスの手に落ちる。 ただ一人残されたコールは、自分に何ができるのかを突き付けられる。龍に抗うことなど、人に許されはしない。だが、それでも――十年前、ただ生き延びただけの少年では終われない。命を賭してでも、仲間を救うと決意する。 灼熱と氷嵐が交錯する砂漠の王国。 圧倒的な暴虐に挑むのは、一人の人間と傷だらけの白龍。 人は龍に抗えるのか。 そして、彼らの絆は呪われた世界を翔け抜ける翼となるのか――。

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カクヨム2025/09/03
  • 現在の作品夜明けに架かる虹を待つ