あらすじ
「トーヘンボクじゃなくて…ええーっと、朴念仁?」ボクしか合ってなかったわ…
かつてこの世界に召喚されたハナは、目の前にぼうっと立ち尽くしている夫に対して、そんな印象を漏らす。
あれは六年前。まだ大学一年生だった私こと葛城葉奈は、突如としてこの世界に召喚される。そして「聖女様!」と叫び崇める人達に戸惑う間もなく、聖女ハナとして魔王を討伐する旅に出る。そして二年という歳月の末、何とか魔王を倒すことに成功したけど、この世界の平和と引き換えに自身の頼みの綱である聖力が枯渇してしまう。おまけにそれによって唯一の心の支えであった、元の世界に還る道さえも閉ざされてしまうことに。
何の利用価値もないただのお荷物元聖女となってしまったハナの処遇に困った皇帝は、甥であり討伐隊の一員であったエズラとの結婚を命ずる。そのエズラと言えば、二年の間で言葉を交わしたのはほんの数回で、おまけに誰の目から見てもハナを嫌っている。それには流石のハナも落ち込んでしまって…
そして公爵夫人となったハナは、家族や使用人達にまで見下される日々が続くが、それでも持ち前の明るさでそれを乗り越えようとする。そして妊娠…やっと公爵家の一員になれると喜んだのに、出産により日常生活も満足に送れない程に体力を消耗してしまう。それから何と…三年も寝たきりになってしまったハナ。ようやく療養を終えて屋敷に帰れば、我が子からは他人を見るように扱われ、義母からも「今更あなたが公爵夫人ですって?」と邪魔者扱いされる現実。そんなハナには更なる衝撃の事実が襲い掛かる!
「もうダメ…こんな所にいられない!おまけにこの世界にいる意味なんてあるの?」そう愕然とするハナ。だけどふと閃く…元の世界に還る方法は一つじゃなく他にもあるんじゃない?
それに気付いたハナは一念発起し、取り憑かれたようにその方法を調べ始める。そして一つの可能性を導き出し、五十年に一度しかないそのチャンスが間近に迫っていることを知ることになって…
愛だの恋だの?そんなのある訳ないじゃん!このはた迷惑な世界を今直ぐ捨ててしまおう。これはチャレンジあるのみよ!
よくある異世界召喚で、よくある魔王を倒す展開。そんなベタな物語の、元聖女が辿るドタバタファンタジー開幕!