あらすじ
冴えない40歳のおじさんは、最強の力を手に入れた。
でも、もう戦いたくない。
黒川迅、40歳。人生の楽しみといえば、やり込んだゲームだけ。ある日、心臓発作で命を落とした彼は、気づけばゲームの世界に転移していた。神から託された使命は、世界の平和を取り戻すこと。与えられたのは、ゲーム内で極めた生産職のスキルと、たったひとつの身体だけだった。
レベル1から始まった過酷な異世界での10年間。迅はゲーム知識と職人スキルを駆使し、自作の最強武器でレベルを上げ続け、ついに魔王を討伐する。そして、神との約束通り、元の世界へ帰還した。
だが、死んだはずの彼の体には、異世界で培った最強の力がそのまま残っていた。
現代にもダンジョンが存在し、「覚醒者」が活躍するファンタジーな世界。しかし、迅はもう、誰かを救うヒーローになるつもりはなかった。
「もう十分だ。今度こそ、のんびりと自由に生きるんだ」
会社を辞め、人里離れた田舎でひっそりと暮らすことを決意した迅。
趣味で作り始めた規格外の武器は、ネットのオークションで高値で取引され、世間を騒がせ始める。
「名無し」の職人として、静かに暮らしたい迅の平穏な日々は、やがて若きトップ冒険者たちを巻き込み、少しずつ動き出す。
これは、最強のおじさんが、最強の力で静かに暮らそうとする、異世界帰りのスローライフ物語。