あらすじ

東京から遠く離れた山間の小さな町。
都会の喧騒に疲れた女子大生・**橘 真琴(たちばな まこと)**は、祖母が住む田舎町へ夏の間だけ身を寄せることに。そこには携帯も圏外になるような自然が残されていた。
ある夜、真琴は森で傷を負った白い狼を助ける。
しかし次の日、祖母の家の前に見知らぬ青年が現れる。彼の名前は狩野 涼(かのう りょう)。どこか人間離れした美しさと冷たさを持つ彼は、真琴の助けた“あの狼”だった。

涼は「人に愛されると狼に戻れなくなる」という呪いを背負った“人狼”だった。
代々続く「月の血」を引く彼は、ある使命のためこの町に戻ってきたという。

真琴と涼は、ひと夏の間に少しずつ距離を縮めていくが、やがて町を脅かす奇妙な事件、そして涼の「人としての時間の終わり」が迫っていた。

登場人物:
橘 真琴(20)
 大学2年生。真面目で気遣い屋。都会の生活に疲れ、祖母の家で癒しを求めていたところ、涼と出会う。どこか孤独な彼に惹かれていく。
狩野 涼(?歳)
 人間に化ける狼。見た目は20代前半。言葉遣いや所作がどこか古風。人間の姿でいられるのは、月の加護がある間だけ。真琴に会ったことで心が揺れ始める。
橘 美代(まことの祖母)
 町の古い風習や伝承に詳しい。涼の存在も何か知っている様子。
テーマ・雰囲気:
切ないひと夏の恋
人と“異種”の恋愛
月と狼、伝承や神話の要素を織り交ぜた現代幻想
最後に選ぶのは「人として生きること」か「狼として生きること」か…
最初のシーン(冒頭サンプル):
夏の終わりが近づく頃、私は都会を離れて祖母の家へと向かった。
携帯の電波は途切れ、代わりに蝉の声が窓から流れ込んでくる。
「——お前、なんでこんなとこで……!」

その夜、私は森で血を流して倒れていた白い狼に出会った。

翌朝、祖母の家の縁側に、知らない男が座っていた。

「昨夜は助けてくれて、ありがとう」

月明かりのような瞳で、彼は静かに笑った。

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アルファポリス
アルファポリス2025/09/02
  • 現在の作品月夜に咲く