あらすじ
――バチッ
……ん? 今の音……まさか……あああ、やっぱりだ! 体が……動かない! きっと、いや、絶対にあの女のせいだ! ついにやりやがったな! あんの、くそくそくそ! 野田の馬鹿野郎が! だから言ったんだ! あんな頭の軽い女と付き合うのはやめろと!
おれと野田は大学の研究室で、ある装置の開発を進めていた。
その名も『空間凍結装置』。凍結といっても、冷凍庫みたいに凍らせるわけじゃない。指定した範囲内の『時間』そのものを完全に止める装置なのだ。静止した空間では、あらゆる運動が消え、劣化も一切進まない。検体や標本の保存はもちろん、医療や宇宙開発にまで応用できる。そんな無限の可能性を秘めた装置だ。人類史に名を刻むと、おれと野田は本気で信じていた。