あらすじ
髪を断つことは、誓いを立てること。
舞台は、魔物「縒り(より)」が人々の髪や声、名や記憶に絡みつき、心と自由を奪っていく世界。
女性戦士レイナは、自らの長髪を断ち、剣と剃刀を携えて旅に出る。
仲間となるのは、王女にして刈り上げの誓いを立てたエリス、
坊主頭で旗の象徴となる女戦士アミナ、
海を統べる女船長カナリス、
そして各地で髪を断ち、旗となる女性たち。
彼女たちは理髪椅子に座り、髪を切り、刈り、剃る。
髪が床に落ちるたびに、迷いは削がれ、旗は立ち、縒りは断たれる。
やがて「整え」は国をつなぐ儀礼となり、世界に広がる「椅子の旗」となる。
レイナが歩んだのは、剣で戦い、剃刀で守る道。
最後に彼女が見たのは、髪のない静かな首筋に吹き抜ける風、
そしてその風を受けて立つ無数の人々の姿だった。