あらすじ
クローバー公爵家の一人娘、ルミナ・フォン・クローバー。
その完璧な淑女然とした立ち居振る舞いとは裏腹に、彼女の頭の中は常に「いかに楽をして、快適な引きこもり生活を送るか」で満ち溢れていた。
生まれつき規格外の魔力量と、神に愛されたとしか思えない魔法の才能を持つ彼女だが、その力の使い道は、紅茶の味を自分好みに変えたり、ベッドから動かずに本を取ったりと、もっぱら自らのぐうたら生活を彩るためだけ。過去のトラウマから、その強大すぎる力を解放することを無意識に恐れてもいた。
そんな彼女の完璧な箱庭に、ある日、王宮からの招待状が届く。
それは、絶対に欠席できない王家の祝祭への強制参加命令だった。
平穏を脅かされ絶望するルミナの元に、まるで嵐のように現れた天真爛漫な平民の少女リコと、彼女の力を研究対象として観察するクールな天才魔術師令嬢ノア。そして、常に彼女を溺愛し見守る侍女のセラ。
これは、引きこもりたいだけのぐうたら天才少女が、迷惑で、やかましくて、だけどかけがえのない友人たちのために、ほんの少しだけ勇気を出す、優しくて温かい物語。
――本人は、ただ面倒ごとを片付けたいだけなのに、その行いがなぜか世界を救う方向に転がっていくとも知らずに。