あらすじ
ベリル・ガーデナントは、レベリス王国の辺境にある小さな村、アストリアで剣術道場を営む、どこにでもいるような50歳のおじさんだった。日々の稽古に励み、村人から頼まれた護衛をこなす。穏やかで、平凡な日々を送っていた。強さについては、まあまあ強いかな、と自覚していたものの、特に誇りにも劣等感にも感じていなかった。
ある日、かつてベリルに師事していたアリューシア・ローゼンタールが、華やかな騎士団の制服を着て道場を訪れた。アリューシアは、王都の騎士団からベリルを特別指南役に推薦したと告げた。ベリルは驚きを隠せない。かつての弟子は、今では王国の精鋭騎士団に所属する騎士長となっていたのだ。
「先生、あなたの剣技は、今なお比類ないものだと、騎士団長も絶賛しておりました。ぜひ、騎士団の若手育成に力を貸して頂きたいのです」
アリューシアの言葉に、ベリルは戸惑いを隠せない。彼は自分の剣技に特別な自信など持っていなかった。ただ、日々の鍛錬を積み重ねてきただけだと思っていた。しかし、アリューシアの熱意と、騎士団長の依頼という重みに押され、ベリルは渋々承諾した。
王都での生活は、ベリルにとって想像をはるか...