あらすじ
「じーじとばあばの年金と私立中学」
月に十四万といっても
介護保険料が天引きされ
残るのは わずかな暮らしの糧
冷蔵庫には 旬の野菜が少し
電気代の請求書を ため息で閉じる
テレビに映る 数字の列
「初年度納付金 百五十二万円」
じーじの口がへの字になり
ばあばの胸に 小さな波が立つ
「うちの年金じゃ 一年分も足りないね」
「けれど、この子の夢は 値段では測れないよ」
ランドセルを卒業した孫は
新しい制服を夢に描く
母は家計簿をにらみ
父は残高を握りしめる
それでも桜は咲く
その下でシャッターを切るじーじの手
写るのは 高すぎる学費ではなく
未来を託す笑顔だった