あらすじ
「価値のない自分に、何の意味があるのだろう。」
――自己肯定感が極端に低く、孤独な大学生活を送る「僕」は、冴えない毎日を虚無感のなかで過ごしていた。進路に迷った末、ただ“響きがかっこいい”という理由で心理学部を選び、結局何も成せず、3年生の秋を迎える。
ある日の講義で語られたのは「自己愛性パーソナリティ障害」。
他者からの愛や承認に飢えながら、それに気づかず生きる人間の話に、僕の心は静かに揺れる。
そんな虚ろな帰り道――彼女と出会った。
水色の髪、ゴスロリの装い、日傘を差した謎の女性。
些細な会話と、彼女の薦めたパン屋。それだけの出来事が、僕の世界の重力を変えていく。
再び彼女を一目見ようと訪れた学内で、突然の爆発音。
階段を駆け上がった先で、僕は“ヒーローの死体”と、“異形の怪物”を目撃する。
そして――無力な僕は、何の力もないまま、あっけなく命を落とす。
だがその瞬間、何かが僕の中で**“目覚めた”**。
体の奥底から這い出る黒い触手。
歪んだ鎧。割れた隻眼。血塗られたマフラー。
それは、かつてテレビで憧れた“ヒーロー”の姿を模した、異形の怪物。
「生きたい」と願ったその叫びが、世界を“裏”にひっくり返す。
正義と悪の境界は崩れ、感情と本能が暴走する中、彼は“怪物のヒーロー”として再誕する。
己の価値を問い続けた「僕」は、なぜ力を与えられたのか?
あの“彼女”は何者だったのか?
そして、この世界に隠された“ヒーローの真実”とは――?
壊れた正義が今、咆哮する。