あらすじ

帝都の片隅で暮らす、名もなき茶屋娘の美桜(みお)。彼女の平穏な日々は、育ての親である老婆が謎の呪いに倒れたことで終わりを告げる。 絶望する彼女の前に現れたのは、帝都を統べる冷徹な『龍神』、龍胆(りんどう)。彼は、呪いを解く薬と引き換えに、美桜に一年間の【偽りの夫婦契約】を結ぶことを要求する。それは、彼の縁談を避けるための「形代(かたしろ)の妻」になることだった。 雲上の屋敷での孤独な生活。だが美桜は、冷たい龍胆の瞳の奥に、幼き日に出会い、再会を約束した少年**『リンくん』**の面影を見出す。一方、二人の前には龍胆の宿敵・龍郷(りゅうごう)の影がちらつき、美桜もまた、ただの娘ではないことが明らかになっていく。 美桜の母は、時の流れを癒す伝説の力を持つ『刻詠み(ときよみ)』の巫女だった。母は、その力を狙う龍郷から赤子だった美桜を守るため、自らの命と引き換えに、その力を美桜の中に封印していたのだ。龍胆は、襲撃で美桜が死んだと信じ、永い孤独と後悔の中を生きてきたのだった。 全ての真実が明かされ、ようやく心を通わせ始めた二人。だが、龍郷の仕掛けた罠により、美桜の力は暴走。彼女を救うため、龍胆は自らの魂の半分を注ぎ込む禁断の儀式を行い、深い眠りについてしまう。 ―――そして、第二部へ。 龍胆の魂をその身に宿し、彼の命を繋ぎ止める存在となった美桜。もう、彼女は守られるだけの少女ではない。龍胆の旧友である、はぐれ陰陽師・波金(ばきん)、そして罪を償うことを決意した商人・善吉(ぜんきち)と共に、彼女は自らの宿命に立ち向かうことを決意する。 龍胆を目覚めさせる鍵が眠るという、北の隠れ里。 そして、新月の夜に迫る、龍郷の恐るべき儀式。 これは、名無しの少女が、愛する人の魂と共に、伝説の巫女として覚醒していく物語。 偽りの契約から始まった二人の絆が、今、世界の運命さえも変える真実の愛となる。

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カクヨム
カクヨム2025/09/01
  • 現在の作品『龍神の妻と刻詠みの巫女~幼き日の約束は、もう離さない~』