あらすじ
名を与えられることで消滅の危機を脱する、かつては神、怪異、霊異と呼ばれたモノたち──「外天」。
改めて正しく名を得た彼らを、妖異、妖怪……人は「アヤカシ」と呼んだ。
龍の骸の上に存在している大地・和深大陸。
そこではこれまでに幾つもの文明が興り、崩壊してきた過去があった。
火の暦一八七八年。
アヤカシ相談室──そう銘打たれたボロ屋に、一人の女が現れる。
売れない作家である宵村剋舟(よいむら・こくしゅう)は、作家業とアヤカシ相談を生業として、伯父の遺産と雀の涙ほどの収入で日々を暮らしていた。
そんなある日、己の先祖に名を与えてもらったという洋装のアヤカシ女・朽名(くちな)と出会う。
彼女は剋舟に対し、「この大地に居続けたいから、私に生きる意味を与えてくれ」と妙に熱っぽく迫り、剋舟は「なら助手をしてくれよ」と適当に応じる。
こうして売れない作家であるただの世捨て人・剋舟と、
見目麗しくもどこか冷艶な洋装アヤカシ美女・朽名の、
奇妙奇天烈な物語が幕を開けるのだった──。