あらすじ

両親を事故で亡くした少年・直哉は、長野で下宿生活を送る女子大生の従姉・澪に引き取られる。 寂れたアパートの一室で、少年は“声にならない文字”を読み取る。 それはかつて怪異や死を描き続けた作家の残滓――「彼辞」と呼ばれる存在だった。 彼辞はただ記し、ただ見つめるだけ。 怪異に干渉はせず、声を持たず、影のように少年に寄り添う。 澪と直哉が訪れる土地ごとに、古い伝承や奇怪な噂が姿を現す。 白い動物の幻、神隠しの商店街、沈んだ湖に眠る花嫁――。 死者の作家はなぜ残ったのか。 少年はその「声」をどう受け止めるのか。 そして澪は、ふたりの間にある不可視の存在を信じることができるのか。 静かな恐怖と祈りの旅が、今はじまる。

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カクヨム
カクヨム2025/09/01
  • 現在の作品彼辞―影を綴るもの―