あらすじ
希美は地震が起きた時、震源の方角から大地の唸りを聞くという。
海中で揺れれば海の唸り、山中が揺れれば山の唸り。
そんなある日、いずれ起こる筈だと言われ続けていた南海トラフ地震が町を襲った。
続いてやってくるであろう津波に対し、政府は非常事態を宣言して、住民は訓練通り高台へと逃げる。
しかし希美はそうしなかった。
希美に聞こえたのは海の唸りではなかったのだ。
彼女の耳に届いたのは、住民たちが逃げる方向からの唸り。つまりは山の唸りであった。そしてそこにあるのは富士山である。
大きな揺れは噴火の前兆であり、続いて起こるのは溶岩流の発生であった。