あらすじ

現代版「老人と海」

朝焼けに
錆びた小舟を押し出す
背中に
若者たちの笑い声が突き刺さる
――時代遅れと。

けれど
海はまだ、私の名を呼ぶ。
潮の匂い、
波のざわめき、
体に染みついた感覚が
最後の誇りを燃やす。

糸を垂らす指に
血がにじみ
孤独は
亡き妻の声を運ぶ。
「まだ行ける、まだ漕げる」
幻を抱いて
青い闇に漕ぎ進む。

巨大な影、
海を裂く力に
心臓が若返る。
人は老いても
夢は老いない。

だが勝利の赤は
また別の影を呼び寄せる。
群れ寄る牙に
誇りは削られ
獲物は骨となり
夜明けに港へと帰る。

笑い声は止み
ただ沈黙が
私を包む。

誇りは海に散ったか――
いや、
胸に残る鼓動が答える。

「負けではない。
 生きたことが
 闘いだったのだ。」

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アルファポリス
アルファポリス2025/09/01
  • 現在の作品現代版「老人と海」