あらすじ
お弁当から始まる恋
朝の台所 湯気の匂い
卵焼きの甘さに
そっと心を込める
君に届くわけじゃない
そう思いながら
それでも少しだけ
色を多く入れてしまう
昼休み 開いた蓋の向こう
「ひとくちちょうだい」
その声に胸が熱くなる
箸先から伝わる
見えない気持ち
味なんて普通かもしれない
けれど
「うまい」って笑う君の声が
世界で一番の調味料
やがて気づいた
お弁当はただの食事じゃない
ひと粒のご飯に
心が混ざっていることを
恋は
花束でも告白の言葉でもなく
小さな弁当箱の中から
静かに始まっていた