あらすじ
明るい髪色に短いスカート、耳を飾るピアスの数々。
綴理 頃は、つまらない学校とどうしようもない家族にため息まじりの日々を送っていた。
そんな頃の前にある日突然現れたのは、風にそよぐ花のように、甘い香りのする彼女。
灰色だった頃の世界を色づけ、彼女はその心に根を張った。
ともに過ごした淡い日々。頃は今も、あのころに想いを馳せている。
まばゆいフラッシュと視線、鮮やかな衣装の数々。
科木 春は、来週に結婚式を控え、今日もモデルとしての仕事を終えて打ち合わせに出ていく。
春には、忘れられない人がいる。今も心には、彼女のくれた光が灯ったまま。
それでも春は結婚する。自分が自分ではないと、そう知っているから。
頃が紡ぐ「この恋が、終わらない」
春が解く「春の頃の恋は、まだ」
二つの視点で織りなす、彼女と彼女の青い恋──。
儚く咲き続ける白い花の物語──それはまだ、春の頃のお話。
※零合百合文芸コンテスト中間選考作品を、二視点で描いたお話です。