あらすじ
帝国中央錬金院――そこに所属していた若き天才・ユノ・レイグランツは、世の中の不便を解消するための錬金術研究を行っていた。
彼の研究テーマは「死体から生体エネルギーを抽出し再利用するクリーン錬金術」。死者の体に宿る魔力の残滓を回収し、再利用するという極めて効率的かつ革新的な技術だった。
だがある日、彼の研究は「死者冒涜」「倫理違反」として帝国評議会によって一方的に断罪される。背後には、非効率な旧貴族制度を守ろうとする保守派の政治的圧力があった。
研究成果をすべて没収されたユノは、辺境の寒村へと追放される。
「便利な世界を作るはずだったのに、なぜ俺が……」
絶望と憎悪に染まった彼の心は、やがてある境地へと至る。
――ならば、死者を蘇らせて、新たな世界を作ってやる。
辺境の地下にて、彼は密かに研究を再開する。
ゾンビとされる死体に再生ポーションを投与し、腐敗を止め、言語と判断力を付与する術式を確立。
こうして生まれた“理性ある不死の軍団”は、彼に忠誠を誓い、暴力ではなく秩序によって支配を始める。
そして時は流れ、帝国は腐敗の極みにあった。圧政、飢餓、戦争、そして国民の見捨てられた命。
民衆の間で、辺境の「死者の王」による統治の噂が広まる。
――ユノは静かに微笑む。
「この世界は、一度死ぬべきなんだ。そして俺が、もう一度蘇らせる」
いま、理性と不死の軍団を率いた“錬屍術師ユノ”が、帝国へと進軍を開始する。