あらすじ

小学5年生の紡は、本が大好きなことを隠して生きている。 それは昔、昼休みの外遊びを断って読書を続けていたら「暗い子なんだね」と言われたから。それが誘いを受けなかった意地悪で言われたことをわかっていても、楽しい学校生活を送るために不必要なものとして自分に読書を封印し続けていたのだ。 そんなある日の夕方、母の実家に引っ越した初日の夜。紡は屋根裏部屋で、赤ん坊の頃の自分を抱く写真でしか見たことのない亡き祖父の幽霊と出会う。嬉しそうに話しかけてくる祖父の幽霊に内心振り回されながら、新しい小学校での平穏な学校生活を願う紡。 そして転校初日に出会ったのは、クラスメイトのひなきと駆の幼なじみコンビ。可憐そうで可愛らしい外見とは裏腹にやや強引なひなきの主導で、読書好きを公言するやや大人びた駆と共に自宅まで送られることになった。すると駆が紡の家、つまりは祖父母の家を知っていると言い出した。数年前、古書店で祖父と出会ったという。不思議な縁を感じながらも家へ案内すると、二人をもてなしているうちに祖父の幽霊が現れてしまった。平穏な学校生活を守るため知らんふりをする紡だったが、うっかり「誰か」と会話していることがひなきと駆にバレてしまう。ごまかすにも限界があり、それが祖父の幽霊だと知られてしまうが、あっさりと受け入れる幼なじみ二人組だった。 祖父と知り合いだったという駆との会話を手助けするうち、祖父が彼に貸すはずだった本の存在を知り、紡はそれが何なのかを知るため奔走する。当初は駆本人も忘れていたそれを思い出した時、幼かった彼がなぜそれを必要としていたのかを紡に教えることと引き換えに、紡は駆から「本、好きだよな?」という質問を受ける。そして数年ぶりに、紡は胸をはって「大好き」と答えられるようになっていた。

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カクヨム
カクヨム2025/08/31
  • 現在の作品閉じた本を開くとき