あらすじ
帝都で暮らす紫乃は異能を持たないながらも養父とともに道具を切り盛りし、家を支えていた。
そんな紫乃のもとに、異能御三家の一つである天宮家の次男・結月との縁談が舞い込む。目上にあたる家門からの申し出を断ることはできず、紫乃は見合いに臨むことになる。
訪れた屋敷で見たのは、黒薔薇を身に咲かせる異形の姿。
紫乃との接触によって異形は人の姿を取り戻す。その人こそ、縁談相手の天宮結月だった。
結月は禍弥の呪詛を体に取り込み浄化するという異能、《依代》を持つ。強力で特殊な異能であるが、それゆえに短命だという。結月の禍弥化(まがみか)を寛解させた紫乃は、彼から契約結婚を持ちかけられる。
結月が第一に望むのは「自分が死ぬまでの間、対外的に良き妻であるよう振る舞うこと」。紫乃はそれを受け入れて婚姻を結ぶ。
強力な異能を持って生まれた青年と、かつて災禍を引き寄せると謳われた少女。
異能に翻弄されて生きてきた二人が出会うとき、その生は色づき始める。