あらすじ
何処にでもいるような少女 リディアは自身が主演であった贈名祭の劇を終わらせ、青年 エドワーズと会話していた。
突如、仮設舞台の屋根が落ち、リディアを庇ったエドワーズが大怪我をしてしまう。教会で彼と共に生きたいと願うリディアはこの時初めて淡い恋心を自覚した。
そんな彼女に対して、世界で最も尊い創世にして予言の神は神託を述べた。
「――人類のために死になさい、リディア」
突如ステンドグラスの欠片が少女に降り注ぐ。体を裂かれ、腕が落ちても彼女はたった一人の青年のことしか考えていなかった。せめて死ぬのなら、死に場所は最後の最後に気が付いた恋心の隣が良い。
息も絶え絶えで彼の元へ向かうと隣にはリディアの知らない幼い少女が彼の手を握っていた。目の前の少女が世界が愛するあの方であると人間の本能が告げる。混乱するリディアはあの方が呟いたたった一言を聞いた瞬間、今まで感じたことがない程の怒りに支配された。怒りに身をゆだね、彼女は体に刺さっていたガラスの破片を抜き、力強くあの方の背中に突き立てた。
誰だって失敗はする。
これはちょっぴり失敗してしまった少女の罪滅ぼしの旅物語。