あらすじ
公民館のカフェで集まった4人のママたちが、夏の「行きそこねたイベント」を語り合うほのぼの短編。東別院寺の手持ち花火や紙袋ランタン作り、藤枝のベビーワークショップ付きマルシェ、台風接近の中でも開催された伊東の夢花火——どれも実際には足を運べなかったけれど、智子の縁日写真を見せ合い、美咲の赤ちゃんエピソードに笑い、佳代の毒舌ツッコミで場が盛り上がる。子育てに追われる日常の中で、保育園の泥まみれ次男や塾帰りにカロリーメイトを買い込む長女など、それぞれの"ありのまま"を共有する会話に、夏の終わりの午後は彩りを帯びていく。結局どこにも行けなかった4人だが、「行きたかった」を笑い合える時間が、かえって特別な旅となったことに気づく、優しくてちょっと切ない大人の夏物語。