あらすじ
【起】
歌に込められた生命エネルギー『心奏力』ですべてが決まる、全寮制の最高学府「グローバル・ハーモニー・アカデミー」。
ここでは、西の音楽理論に基づく完璧な「調和(ハーモニー)」だけが正義とされ、生徒は魂の力の証であるそれぞれの花を、青く咲かせることを目指していた。
東の島国の僻地出身であるマキの歌は、心臓の鼓動のような生命的な「揺らぎ」を持っていたが、学園では「不協和音」とされ、落ちこぼれの日々を送る。他人の心のノイズが聴こえるマキは、学園唯一の特待生クリストファーの、完璧な仮面の奥に隠された深い孤独の叫びを聴いてしまう。
【承】
クリストファーの心のノイズを癒したいマキは、クリストファーと二人だけの秘密のレッスンを始める。
マキの温かい「揺らぎ」に満ちた歌は、クリストファーの心を癒す唯一の「薬」となっていく。
しかし、学園で生き抜くため、マキは自らの歌を殺し、試験で完璧な「調和」を歌い上げてしまう。
喝采の裏で、マキの魂の蕾は、学園の規則に反した、黄金色に輝いた。
【転】
その黄金の蕾を、生徒会長カルロスは「秩序を乱す異物」と断罪。
さらにクリストファーは、学園がシステムで生徒から力を奪い、自分が知らぬうちにその中心装置となっていたという残酷な真実を知る。絶望したクリストファーは姿を消す。
絶望するマキを奮い立たせたのは、親友ルイーズの叫びだった。「あんたの歌で、全部ひっくり返したるんや!」
ルイーズとマキは、学園システムの「調和」に、マキの「揺らぎ」と「叫び」をぶつけてシステムを壊す、危険な賭けに挑むと決意する。
【結】
学園祭のステージで、マキの「ゆらぎ」と「叫び」の歌は学園システムの暴走を招く。マキの歌は、敵であったはずのカルロスの心を動かし、去ったはずのクリストファーを呼び戻した。
クリストファーとマキの歌が一つになった時、奇跡が起きる。
学園を縛る呪いは美しく再生し、青一色だった世界は、生徒たち一人一人の、七色の色彩を取り戻す。
ステージの上で、マキとクリストファーの心が、重なった。