あらすじ

現代版『白雪姫』 

― 鏡の向こうにいる私へ ―

ガラス越しの笑顔は
加工されたピクセルの微笑み
「いいね」が咲いた分だけ
私の心は枯れていく

継母はいつも尋ねる
「この世界で一番美しいのは?」
鏡は答える
「トレンドを制する者」

私はフォロワーに囲まれて
孤独を磨いていた
毒林檎は通知音に姿を変え
心を眠らせていく

逃げ出したのは深夜の渋谷
誰にも見つからぬ裏通りで
私は本当の名前を捨てた
誰の“姫”でもない私として

出会ったのは七人の影
傷を抱え、声を潜めて
でもその目は
私よりずっと澄んでいた

「君の言葉を信じる」
そう言ってくれた君の声が
死んだように閉じた私を
ゆっくり起こしてくれた

ガラスを割る音がした
偽りの王国が崩れた音
私はやっと、私のままで
光を浴びることができた

そして今日も空は青い
フィルターなしの空が
私に言う——
「もう、眠らなくていい」

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アルファポリス
アルファポリス2025/08/31
  • 現在の作品現代版『白雪姫』