あらすじ
2023年6月8日早朝、五人組の人気女性アイドルグループ「西新宿ゆるふわ組(通称:ニシユル)」のメンバー四名の遺体が見つかり、もう一名のメンバーも意識不明の重体で発見された。
国民的アイドルグループのショッキングな事件が社会に大きな衝撃を与える中、天上寺学園高校アイドル研究部の南野陽康は、校舎屋上からの転落事故を起こす。幸い一命を取り留めるも熱狂的なニシユルファンであった彼の行動は、学園側から「後追い自殺未遂である」と疑われ、ニシユルの学内ファンクラブ状態だったアイドル研究部も廃部の危機に追い込まれる。
数日後、失意の中で夏休みを迎えようとしていたアイドル研究部部員三名のもとに差出人不明のメールが届く。
『ニシユルの生き残りは武蔵ノ宮病院の709号室にいる。彼女は7月30日に殺される…』
悪質なスパムであることを疑いながらもニシユル唯一の生存者・宝田舞が入院する病院へ向かった三人は、大人たちによる悍しい謀略の渦に巻き込まれていく…。
アイドルグループの集団自殺事件を端緒に、日本の芸能界が脈々と育み、連綿と営み続けてきた「アイドル」という存在への限りない執着の果てに待ち受ける、愛と挫折と再生の物語が始まる。