あらすじ
『悲しみよ こんにちは』
海は光をはじき
笑い声は波に溶けた
裸足の夏は
永遠のように思えたのに
あなたの瞳に映るのは
遊びの火花か 愛の残像か
私は子どものふりをして
嫉妬という刃を握った
白い道に
熱を帯びた風が走り
ひとりの影が消えたとき
笑いは沈黙に変わった
――悲しみよ、こんにちは
あなたは冷たい指で
私の頬を撫で
心の奥に居場所を作る
かつての自由は
もう戻らない
けれど私は知ってしまった
悲しみと共にしか
生きられないことを
だから
朝の光に向かって
小さくつぶやく
「悲しみよ、こんにちは」