あらすじ
昔々、ヒト族と妖怪族が共存して暮らしている夜麻登(ヤマト)国の都がまだ
寧楽京(ならきょう)にあったころ。
十二歳の女帝・雲母(きらら)さまがいらっしゃる宮廷では怪事件が起きていました。夜な夜な、鬼の声が聞こえてくるのです。都の人々は、夜にあらわれるこの物の怪を「夜行鬼(やぎょうき)」と呼び、恐れました。
一方、時の権力者の左大臣・藤原倉持は、この鬼騒動を利用して帝に退位をせまり、自分が新たな帝になろうとしていました。この倉持という男は、先代の帝を退位においこみ、皇族の高屋王とその息子の壱師王も都から追放したという、非常にあくどい大臣なのです。
帝は、天からふってきた亀のお告げにしたがい、動物が人の姿に化けた妖しのケモノ――妖怪族の少女たちを宮廷で働く下級女官・彩女(あやめ)に採用することを決めます。強い霊力を持った彼女たちなら夜行鬼に対抗できると考えたのです。
この彩女募集の立て札を見て、故郷の三野の国からはるばる都にやって来たのが、この物語の主人公・瑞穂(みずほ)でした。彼女は、妖狐族のお姫さまで、強力な退魔の力を持つ女の子。五年前に出会って仲良くなり、その後行方不明となった幼友達の少年・壱師王を都で探すべく、彩女になろうとしたのです。
瑞穂は、都で迷子になって困っていたところを謎の覆面の少年・大伴吉事(おおとものよごと)に助けられ、無事に彩女採用試験を受けることができました。彩女になった瑞穂は、同じく彩女に採用された猫族の如虎(にょこ)やヒト族の秋虫(あきむし)と仲良くなります。また、宮城の門を守る犬族の阿雪(あゆき)とも出会います。
忙しい宮廷生活が始まると思っていた矢先――夜行鬼が出没し、瑞穂たちは恐ろしい敵と戦うことに! しかも、この鬼たちを裏で操っているのは、倉持の味方の陰陽師・百歳老師らしくて……。
モフモフな動物妖怪の少女たちが都を守るために戦う宮廷物語の始まりです!