あらすじ
古き因習が残る小国アスターナ。王女リアナは、双子の姉アリエルの身代わりとして、強大な大国ベルクランドの王子カイトのもとへ嫁ぐことになる。
武術を愛し、自由奔放なリアナと、優雅で完璧な王女アリエル。そのあまりにも違う二人が、瓜二つの顔を持つがゆえに交錯した運命。王宮のしきたりに戸惑いながらも、リアナは必死に完璧な王女を演じるが、その仮面の下には、市井で培われた快活さと、野生の勘が隠されていた。
そして、彼女を待っていたのは、噂通りの「面白味のない王子」…ではなかった。
冷めた眼差しの奥に、深い知性と孤独を隠し持つカイト。その王子の周りには、王位継承を巡る醜い陰謀が渦巻いていた。ある夜、カイトが命を狙われたとき、リアナはついに、偽りの仮面を脱ぎ捨てる。彼女の武術が、王子の命を救ったのだ。
この事件を境に、二人の関係は予期せぬ方向へと進んでいく。リアナはカイトの真の姿を知り、カイトはリアナの勇敢さと、偽りの顔の下に隠された優しさに心を奪われていく。
しかし、二人の前には、さらなる試練が待ち受けていた。
国を揺るがす疫病の流行。そして、民衆の反乱。
リアナは、再び仮面を捨て、愛する者と国のために立ち上がる。しかし、その先に待ち受けるのは、真実の愛か、それとも偽りの身分が招く、すべてを失う破滅なのか?
偽りの王妃と、孤独な王子。二つの魂が出会ったとき、運命の歯車は、いま、大きく回り始める。