あらすじ
小学六年生の翔太《しょうた》は、親や先生の前では「夢のあるいい子」を演じている。
将来はサッカー選手になると笑顔で答え、友達からも応援されるが、心の中には何もない。本当は夢などなく、友情や努力も“信じているふり”をしているだけだった。
そんなある夜、翔太の夢に金色の目を持つ白いネコが現れる。ネコは「君はまだ本当の未来を見ていない」と告げ、見知らぬ景色を見せてくれた。目覚めると翔太の手には一本の群青《ぐんじょう》色のえんぴつが握られていた。
翌日、クラスに転校生の美咲がやってくる。彼女の瞳は、夢で出会ったネコと同じ金色に光っていた。美咲と過ごすうち、翔太は“ふり”ではなく「描きたい」という気持ちに気づいていく。しかし、勇気を出して描いた絵はクラスで笑われてしまう。恥ずかしさにうつむく翔太に、美咲は「これは未来の絵。翔太くんの未来」と告げる。その言葉に救われた翔太は、初めて友達にも「ぼくは絵を描きたい」と本音を伝えることができた。
やがて美咲は、自分は前の世界でネコだったこと、翔太に未来を思い出させるために来たことを明かす。そして「もう翔太は“ふり”をやめたから」と別れを告げる。
未来からきたネコの女の子との出会いと別れを通して、翔太は決意する。——もう夢を持つふりはしない。胸の奥のドキドキを信じ、自分の未来を描いて歩いていくのだ。