あらすじ
大陸の大帝国・煌国。広く美しい後宮は、華やかな衣装と香りに包まれた夢の世界のようでありながら、妬みや陰謀、人の命さえ奪う危険な場所でもあった。
貧しい街で育った薬師、李霞(リカ)。彼女は偶然のきっかけで後宮の下働きとして迎え入れられる。李霞の特技は「香りと薬草で人を診ること」。
ある日、皇帝の寵姫が突然倒れ、吐血する事件が起きる。侍医たちは毒を疑うが、証拠はなく、後宮中に不安と疑心暗鬼が広がった。
しかし李霞は、倒れた姫の周囲から漂う“微かに焦げた薬草の香り”に気づく。
「――これは病ではなく、仕組まれたもの」
後宮で真実を見抜く者は、時に“邪魔な存在”と見なされる。狡猾な宦官、冷徹な妃、甘い言葉で近づく高官……。
孤独な薬師は、知識と観察力だけを武器に、後宮に潜む陰謀の核心へと迫る。