あらすじ
京都の裏路地にひっそり佇む町家風の茶屋「紅椿茶寮」。
主人の志乃は二十代半ばの女性で、薬学部を中退した後、独学で漢方や毒草の知識を身につけたちょっと変わった女の子。客の癖や小さな嘘を見抜くのが得意だ。
ある雨の日、常連の小説家・安斎が茶を口にした瞬間、激しい咳と喉の痛みに襲われ倒れてしまう。「毒……?」と騒然となる店内。しかし、志乃は冷静そのもの。
これは、命を狙った毒ではなく――ちょっとした“仕掛け”。
唐辛子粉を使った、誰も気づかない小さなトリック。
茶屋で巻き起こる、毒のように見せかけた謎解きが今、始まる――。