あらすじ
西暦2134年、クリスマスイブ。超人気VRMMORPG「クラウ・ソラスⅢ」のデバッガー、西島颯太(25)は、簡単なバグ修正のため、デバッグ用チートキャラ「ルーカス」でゲームにログインした。レベル・ステータスカンスト、全スキルマスター――それは彼がリリース前から積み重ねてきた膨大なテストプレイとシステム解析という「努力」の結晶でもあった。
だが、作業を終えた直後、悪夢が現実となる。ログアウト不能。謎のテロ国家T国によるシステムジャック。そして、プレイヤー全員に突きつけられたのは、「ゲーム内死亡=現実の死」という非情なルールの強制だった。解放条件は、日本の主権を脅かす無謀な要求。ログイン中だった1000人のプレイヤーは、死と隣り合わせの人質と成り果てたのだ。
ゲーム内に取り残された唯一のスタッフである颯太に、会社から極秘指令が下る。「正体を隠し、一般プレイヤーとしてシステムエラーを発見・修復せよ。タイムリミットはゲーム時間180日(現実時間30日)。全プレイヤーを救い出せ!」
美少年アバターのウィザード「ルーカス」として、颯太は立ち上がる。彼の最大の武器は、カンストキャラの圧倒的な戦闘力だけではない。システムの隅々まで知り尽くした知識、僅かな異常からバグや脆弱性を見抜くデバッガーならではの洞察力。彼は、他のプレイヤーには見えないエラーコードを読み解き、絶望的な状況を人知れず「修正」していく。
伝説的ギルドマスター・ジニーの呼びかけで結成された攻略ギルドに参加し、初心者中心のギルド「clover」のリーダーを任されることになった颯太。頼れる副官イズルとナギサ、初心者ながら必死に彼を支えようとする健気なヒーラー紗奈、現実でニアミスしていた快活なダンサーのリィラ、お色気担当だが実は真面目なタンカー志望のレベッカ――かけがえのない仲間たちとの出会いが、孤独になりがちな彼の戦いに彩りを与える。
しかし、T国はゲーム内に狡猾なスパイを潜ませ、プレイヤー間の不和を煽り、賞金目当ての凶悪なPKギルド「justice」を組織させる。さらに、現実世界の会社内部にも、颯太たちの情報を敵に流す裏切り者が潜んでいた…。
迫るタイムリミット、次々と発生・あるいは仕掛けられる凶悪なバグ、裏切り者の影、そして容赦なく襲い来るPKの脅威。颯太(ルーカス)は、デバッガーとしての知略と最強キャラの力、そして仲間との絆を武器に、次々と立ちはだかる困難を打ち砕き、全てを「修正」して仲間を守り抜けるのか?