あらすじ
【あらすじ】※物語の結末までを含むためご注意ください。
空を飛ぶ大きな鳥が降らせた羽に触れた人間は、徐々に存在が消えてしまい、周囲の人からも忘れ去られていく世界。
中学生の「宮入葵」は、授業をサボって訪れた屋上で「物部姫子」という少女と出会う。それから毎日のように屋上へ訪れた葵は、漫然と姫子との日々を過ごすようになる。ある羽が降る日、「羽宿り」をするために入った屋上の天文台で、葵は偶然、姫子の撮影した写真を見る。そして失っていた記憶を思い出す。
中学生の「物部姫子」は、授業をサボって訪れた屋上で見知らぬ女の子と出会い、彼女のことを「屋上の姫」と呼ぶことに決める。屋上の姫は、空から降る羽に触れたがる変な女の子。ある羽の降る日、羽に触れて消えることを決意していた屋上の姫は、姫子に別れを告げる。しかしそれから一週間が経過しても、屋上の姫は消えなかった。彼女の考察によれば、羽に触れた人は即座に消えるわけではなく、少しずつ消えていくのだそうだ。そして存在が消えていく過程で、その人がこの世にいた「痕跡」、つまりは記憶から少しずつ消えていく。その言葉を裏付けるように、翌日屋上で再会した屋上の姫は姫子のことを覚えていなかった。そして屋上の姫は「宮入葵」と名乗った。それから二人は日々を過ごし、ある羽の降る日に天文台で「羽宿り」をすることとなる。葵が消えてしまう予感を強く感じていた姫子は、現実逃避をするように彼女の隣で眠りに落ちる。
姫子が目を覚ましたとき、「宮入葵」はこの世から消えていた。しかし「屋上の姫」の噂はたくさんの人が覚えていたために羽の力でも消えることはなく、葵は名を失いつつも「屋上の姫」という存在として残留していた。姫子は葵のことは忘れてしまったが、屋上の姫のかけがえのない友達として、彼女のことを決して忘れないと誓う。
※pixivにも投稿していました(非公開設定済)