あらすじ
深い森に囲まれた早良村では、人間と、古くから谷に住む土蜘蛛族が隣り合って暮らしていた。しかし、その関係は常に根深い偏見と差別に覆われている。
人間族の少女・結衣は、村の子どもたちにいじめられる土蜘蛛族の少女・燈を見て見ぬふりをしてしまう自分に心を痛めていた。だが、ある出来事をきっかけに、二人の間に秘密の友情が芽生える。結衣は燈の瞳の奥に隠された優しさと、彼女が持つ不思議な力の一端を知ることとなる。
しかし、村人の土蜘蛛族への差別感情は日増しに激化し、やがて村全体を巻き込む不穏な空気へと変わっていく。そんな折、早良村を正体不明の病が襲い、多くの村人が苦しみに倒れる。村中に絶望が広がる中、結衣は、友人である燈の存在に一筋の希望を見出し、ある大きな決断を下す。
その決断は、長きにわたる偏見の壁を越え、異なる種族の間にある深い溝に橋を架ける試みとなる。果たして、結衣と燈の純粋な絆は、村を覆う闇を打ち払い、希望の光を灯すことができるのか。
これは、見えない壁が心を隔てる世界で、触れ合う手と手が未来を紡ぐ、一人の少女の勇気と、もう一人の少女の優しさが織りなす物語。