あらすじ
の街にひっそりと佇むバーで、私は「からす」と出会った。鼻にピアスをした黒髪ロングの彼女は、パーカー姿が似合う、どこか影のある魅力を放っていた。偶然のいたずらをきっかけに話しかけた私は、手をつなぎ、夜の街を歩きながら、初めて誰かに守られているという安心と甘さを知る。
名前も本名も明かさず、ふたりは「ふくろう」と「からす」と呼び合い、秘密の恋を重ねた。初めての体験、初めての夜、そして初めて知った心のときめき――青春の一瞬一瞬は、甘く切ない思い出として、私の心に深く刻まれていった。
しかし、時間は無情に過ぎ、高校を卒業する頃にはふたりの道は別々のものとなる。ふくろうは恋を胸に秘め、大人になった。からすもまた、自由で魅力的な女性として、外見も心も変わりながら人生を歩んでいた。
十数年後、離婚を経験した私は、心の奥底に残るあの初恋を確かめるため、からすを訪ねる。だが、そこにいたのは、かつての夜の少女ではなく、女の子らしい雰囲気を纏い、幸せな家庭を持つ大人の女性だった――。
甘く、切なく、そして心に深く刻まれる初恋。
再会したふたりは、過去の記憶と現在の人生の間で、どのように心を紡いでいくのか。