あらすじ

第三次世界大戦後、大敗した緋ノ国は魔石製造業で経済国家として再興した。 魔石は魔力量の格差を減らし、魔石機器は世界の暮らしを豊かにした——だが「魔力枯渇」という公害が貧しい人々の命を脅かしていた。 一方、緋ノ国には神民という神秘の民がいる。 他者の才を見通し、眠る才を花開かせる彼らには、一生に一度自ら選んだ相手の才を極限まで咲かせる『神命花』の異能があった。 ゆえに古来より権力者の傍らに必ずこの民の姿があった。 戦後に制定された「神民保護法」は婚姻の自由と生活保障を謳う。 しかし実態は、神民の赤子を深山邸に囲い淑女として育て、政と産業の中枢に嫁がせる制度である。 少女達は外を知らぬまま、夫を支える人生が決まっていた。 母の遺言を胸に「人のために才を使いたい」と願う変わった神民である・穂稀(ほまれ)は、魔石産業の最大手一族に生まれた若き御曹司・明嗣(あきつぐ)と出会う。 「——私はこの国を変えるために生まれてきた」 その言葉に穂稀は嫁入りを決意する。 婚家・緋乃宮での暮らし、女学院への転入、待宵館での社交デビュー。 そして——魔石産業の競合へ嫁いだ親友の失踪。 穂稀と明嗣の選んだ未来は、やがて国の命運を左右する最初の物語となる。 運命に導かれた嫁入りだった。 魔力至上主義、発展の光と影、政略結婚と愛、希望と絶望。 私たちは、世界を変えたい。 ——『天つ風の嫁入り』第1巻、開幕。

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カクヨム
カクヨム2025/09/20
  • 現在の作品天つ風の嫁入り ―緋ノ国縁譚 壱―