あらすじ
神の名を掲げながら、気に入らぬ存在を容赦なく断罪する――
天界に君臨する女神アフロディーテの“処刑人”として、天使アリエルは命を受けてきた。
その標的として新たに告げられたのは、世界で最も美しい緋色の悪魔・カルティエ。
だが彼女はただ美しいだけではなかった。
アフロディーテの嫉妬によって、「愛した者からは必ず嫌われる」という残酷な呪いを背負わされた存在だったのだ。
冷酷に見えるアリエルの眼差しにさえ、カルティエは微笑みを向ける。
その孤独を隠すように、気丈に、気まぐれに。
けれど彼女が本当に誰かを愛した瞬間、愛は必ず憎しみに変わる。
神の命令に従うか――
それとも、呪われた悪魔に手を差し伸べるか――
この物語は単なるファンタジーでは終わらない。
ヴァンパイアの吸血衝動やサキュバスの誘惑といった“異種族の習性”を通して、私たち人間の恋愛が抱える矛盾や痛み、そして抗えぬ欲望が描き出される。
触れたいのに触れられない。求めれば失う。――その葛藤は、きっと誰もが心の奥で覚えのある痛み。
幻想世界の恋は、現実の愛と重なり合い、読者の胸に切実な共感を呼び起こす。
詩的で残酷、そして美しい――そんな愛と呪いの物語。
天使と悪魔、愛と呪い。
この世界で最も残酷で、美しい物語が、いま幕を開ける。