あらすじ
一人の男が惨殺されるところから物語は始まり、三人、四人と被害者が増える。
浅草に事務所を持ち警察と相互協力関係にある探偵が調査依頼を受け、捜査資料を入手。
複数犯とする警察の見解に対し、探偵は単独犯ではと考え、加害者の犯行時の状況や手足のサイズなどから、気性は荒いがいつも冷静に行動できる小柄な武闘家の男とプロファイルする。
問題は、被害者の死因は胸骨骨折による心臓損傷や脳挫傷、頸椎骨折などだが、全身に打撲痕のほか手足の骨折なども認められ、集団暴行の疑いを拭いきれないところにある。
決定打を見いだせず苦悩する探偵。事件は六件に拡大、死亡六名重傷一名となる。
重傷の被害者が、犯人は女だと断言する。
半信半疑の探偵。だが、調査対象の武闘家に女装癖のあることを掴む。
プロボクサー並みの実力を持つ探偵の妻でさえ、犯人と鉢合わせするもなんら反撃できずに倒される。
本庁上層部から担当警部を通じ武闘家を期限を切って逮捕すると告げられる。探偵に与えられた猶予は十日間。
期限の日、探偵は犯人を特定できたが物証がないため、一計を案じ、すべての事件と何らかの繋がりのある女子高生を尾行する。
探偵の考える動機のひとつは、戦国時代に遡る。
美濃の国の山寺に女子供が隠れ住んでいた。ある日、野武士集団に襲われ多くの女子供のほか住職、寺男までもが切り殺される。ところが寺男が突如として野獣と化し、野武士を皆殺しにする。
野武士の遺族と寺の生き残りとは互いに憎しみ合いを続け、時を経て現代にまで及ぶ。
女子高生は寺男の末裔、被害者は野武士の縁故者。
もうひとつは女性を襲う男だ。
雲行きが怪しくなる中尾行は続く。距離を取って探偵や警察が監視するなか、女子高生が忽然と姿を消し矢庭に尾行者が襲われる。
探偵らが駆け付け、間一髪の救出劇。
犯人は高い塀を飛び越え逃走。
同時刻、武闘家が別の場所にいることを警察が確認。誤認逮捕を免れる。
探偵らは女子高生を自宅に訪ね、家族の前で事情を訊く。
そのさなか連続殺人の被害女性の父親が飛び込んできて、仇を討とうと女子高生に向ってナイフを光らせる。
危うい所、母親がその父親を壁まで突き飛ばす。
全員が注目する母親の顔は真に野獣。顔を見られた母親は窓ガラスを突き破って逃走。
探偵らは追う。
野獣と化した母親は豪雨と強風に霞むスカイツリーの鉄塔を登ってゆく。
雷鳴も轟き、探偵らには展望回廊から投降を呼びかけるのが限界。
見上げる空が光り鉄塔に落雷。母親の悲鳴が地表に向けて尾を引いて行く。
相応の時間が経過しても地表に落ちてこない母親。行方不明となる。
物語はもやに包まれたまま終焉を迎え、エピローグで母娘の日常が描かれる中、連続殺人の真犯人や鉄塔から落ちて消えた母親の行方などが明かされる。