あらすじ
高校3年の春。
彼は過去の痛みに縛られ、人との距離を置いて生きてきた。
そんな彼の前に現れたのは、バドミントンのシャトルを追い、陽射しの中で笑う彼女だった。
無邪気な言葉に背中を押され、彼は止まっていた時間を少しずつ取り戻していく。
朝のグラウンド、教室の片隅、ふとした瞬間に交わす視線――。
彼女と過ごす日々は、色を失っていた世界に淡い輝きをもたらした。
けれど彼女の瞳の奥には、微笑みでは隠しきれない影が潜んでいた。
「この季節は、許されるから」
彼女の言葉の意味を、彼はまだ知らない。
儚く過ぎゆく季節の中で、二人の想いは確かに重なり合う。
しかしそれは、永遠を約束できない恋の始まりでもあった――。