あらすじ
『ヒューリ・エンバス』彼は天才だった。あらゆることにおいて群を抜き、わずか11歳で誰からも期待され、それらに応えてきた。
そんな彼の中身は傲慢で満たされていた。
この国の王となり世界すら手中に収めようと、あまりにも大きな野望を抱いていた。
そんなある日、彼に耐え難い運命が下される。
12歳の年に行われる『信託』そこで得られるはずの『称号』それを表す紋章が彼には授けられなかった。
代わりに得たのは自分が何者にもならずに、魔族に捨て駒にされ、何もなし得ず朽ちる未来のみ。
だが彼にとって死ぬ運命などどうでも良かった。
『紋無』と蔑まれ、手に入れるはずだった王女との婚約も『勇者』に掠め取られる。
歩むはずだったその覇道は遠のくばかり。
そらら全ての現実が彼にとっては『屈辱』だった。
それを晴らすには周りに目にものを見せるしかない。
その日から、彼の努力は死物狂いとなる。
負けるたびに発狂寸前、叶わないと知るたびに激情に呑まれる。
そんな彼の落ち着きも冷静さも、カケラもないただただ屈辱を晴らすための地獄の道のりが切り開かれる。