あらすじ
一話
私は好ましい国、ポジティブと、好ましくない国ネガティブの国境に生まれた。
そこは、春秋は農作物も実り、豪雨もなくなり、人の行き来も盛んになるが、夏、冬は悲惨なものだ。
冬は雪が積もり、家を埋め立ててしまう。そして夏は、大雨で家が冠水してしまう。
季節は春、この日はいつにも増して人通りが多い日だった。
飲食店を経営する親のもとに生まれた私は、ネガティブから命からがらやってきたポジティブに向かう人(ドリーマー)や人生を辞めようとしている人たちに飯を作っていた。
代金は魔石20カラットになります、と言い計測器に置くよう促した。
ネガティブも悪いことだけではない。ネガティブの国は魔物がいるから、魔石が取れるのだ。そしてポジティブも良いことだけではない。魔物がいないため魔石は取れないし、年々、自殺率が増えているらしい。その証拠に、ポジティブからネガティヴに向かう人たちがここにいる。
「ポジティブから来た人ですか?」と聞く。大体、ポジティブから来た人、ネガティブから来た人は服装を見ればわかる。ネガティブの人たちはは皆、ボロ雑巾みたいな服を着ていて、ポジティブの人たちは皆、色とりどりの服を着ている。
「あ、はい」
「では、銀貨2枚です」
明日はポジティブの国の銀行に稼いだ金を預けに行く。もう数十日もすれば、夏が始まってしまうから。
私は暇を見て、呟く。
「どうせ、死ぬなら市民権を売ってくれれば良いのに」
登場人物
土
空
光
海
父
母
妹
…