あらすじ
心理歴史学。それは元探偵にして元ゲームデザイナーの竹頭葵が発案した新たなる学問領域。
竹頭葵。2026年時点で43歳。大学時代は日本中世史を専攻しつつ、「本業」そっちのけで心理学にのめり込む。
その過程で「心理学」という学問の真髄が統計と数理モデリングにあることに気付いた彼は、「心理アナライジング」という新たなる心理解析手法を考案。さらにそれを歴史上数多ある社会集団の興亡パターンに当て嵌め、未来予測にまで活用する「心理歴史学」を開拓するに至った。
アカデミアを離れ、歴史解説YouTuberとして活動しながら「心理アナライジング」および「心理歴史学」の普及に努めていた竹頭であったが、2036年、東シナ海での小競り合いを発端に日中間の緊張は一気に頂点へ。
開戦からわずか六日――圧倒的戦力差の前に日本は一方的に屈服し、わずか数百名の犠牲を出して停戦協定を締結することとなった。
激動の情勢下、葵はいつもと変わらぬ日常を淡々と送り続けていた。
しかしある日、内閣中枢が彼に接触する。
YouTubeで披瀝した“心理歴史学”を駆使し、匿名和平交渉担当官《ヨハネ》として北京へ渡り、未来の日本の生存戦略を描け――と。
だが竹頭は気付いていた。
この敗戦は単なる一時的屈辱ではない――ということに。
『総括のコンジェルトン』の作者が描く、天才歴史家の視点で俯瞰する戦慄の黙示録!