あらすじ

名を刻む者が歴史を残す。 ならば、名を消す者は――何を遺せるのか。 幕末、京の町を震わせた新選組。 池田屋事件、禁門の変、鳥羽伏見、箱館戦争。 そこに確かに存在しながら、史書には残されなかった二人の影がいた。 一人は、白布をまとい、剣鬼のごとく裏任務を担った 沖田静。 表に立つ沖田総司の「影」として、血に濡れた仕事を果たし続ける。 もう一人は、名を求めながらもその名を奪われ、 それでも静の背に寄り添うことを選んだ 矢野蓮。 「背を預けられるのは二人だけだ」という言葉を胸に、 迷いと痛みに揺れながら、ただ隣に立ち続けた。 時代は彼らを照らさず、 勝者の記録に名を残すことも許さなかった。 けれど、雪に染まった大地に刻まれた影の呼吸は、 確かに誰かの心に届き続ける。 名を遺さぬ者として散った二人。 しかし、その無名こそが永遠を証す――。 涙と静謐に包まれた、もうひとつの新選組異録。

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カクヨム
カクヨム2025/09/19
  • 現在の作品名もなき剣に、雪が降る― 新選組異録