あらすじ

冬の北海道。吹雪に包まれた函館駅から、特急「北海」が発車する。札幌へ向かうその列車には、探偵・佐伯涼介の姿があった。急な仕事を終え、帰路につくだけのはずだったが、雪の中を駆け抜ける車内で思わぬ異変が起こる。 名の知れた不動産会社の社長が個室から忽然と姿を消し、車内のどこにもその姿は見当たらない。閉ざされた列車の中、次々と積み重なる不安と謎。広がるのは「吹雪で外に出られるはずがない」という矛盾だった。 佐伯は冷静に状況を見極めながらも、秘書の証言や車掌の不穏な挙動に違和感を覚える。さらに、食堂車で働く調理員たちの振る舞いも、この列車に漂う不透明な空気を際立たせていた。 果たして失踪は偶然の出来事なのか、それとも緻密に仕組まれた事件なのか。雪深い北の鉄路を疾走する「北海」は、静かに、しかし確実に終着へと近づいていく。 ――雪にかき消される影を追いながら、探偵は列車という密室に潜む真実に挑む。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2025/09/19