あらすじ

下級貴族の娘、セリーヌ・アルノワは、都の華やかな社交界とは無縁の生活を送っていた。 だがある日、父の古い知人の誘いを受け、初めての舞踏会へと足を踏み入れることになる。 煌びやかな会場。知らない人々。慣れない礼装。 そのすべてに戸惑いながらも、セリーヌは月夜のバルコニーでひとりの青年と出会う。 「……こんばんは。少し酔ってしまったので、夜風にでもあたりますか?」 感情を表に出さない無愛想な青年――アルヴィン・レイヴァルト。 彼が、実はこの舞踏会の主役である皇子だと知るのは、少し後のこと。 身分の差。許嫁の存在。 決して結ばれてはならない運命。 それでも、ふたりは夜に惹かれ合う。 やがて密会を重ねるようになり、心を通わせていくが―― 「誰にも見つかってはいけない」 「この気持ちは、なかったことにしなければならない」 すれ違いと苦悩の果てに、それでも手を離せないふたり。 月明かりの下、愛を囁くその声は、届くことのない未来を恐れて震えていた。 これは、身分に縛られた少年と少女が、 “秘めごとの花”を月の夜に咲かせる―― 切なくも美しい恋の物語。

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小説を読もう2025/04/10
  • 現在の作品月下に咲く、秘めごとの花